消した相合傘も発見。















   イディオム















人がいる割には静かな図書室。
高い本棚の間をすりぬけると自習ができるスペース。
あれ、ひょっとしてと思って2歩後ろへ戻る。
・・・あぁ、そうだ。間違いない。
辞書や参考書、教科書を山積みにして勉強してる。






「・・・・・・ー」
「・・・おわっ、ヒロだー。どうしたのー」






小声で話しかける。
の手元にはルーズリーフ。
どうやら数学を勉強してた模様。






「なに勉強してんのさー。探したじゃん」
「さっき帰ってていいってメールしたよ?見てないの?」
「あっそー、は俺と帰りたくないんだー」
「そんなこと言ってない」






の隣にひじをついて「そういうことじゃんかよ」と返事する。
するとはコツンと俺の頭にこぶしを当てる。






「この前の中間最悪だったんだもん。特に数学。なんでだと思う?」
「・・・勉強しなかったから?」
「おしい」
「・・・・・・ヤマカケして外れた?」
「あたしがそんなことするわけないでしょ。
・・・ヒロとずーっと一緒にテスト勉強したじゃんか」






机の上に顔を伏せて「ヒロのせいなんだからね」と言う。
・・・照れてる、かわいー。
耳をほんのり赤く染める






「・・・・・・数学何点だったの?」
「・・・・・・やだ、ヒロ頭いいもん」
「俺86。はい言ったんだからも言うー」
「やだー!86って聞いたあとだと余計やだ」






ほっぺをプクーとふくらませて問題集とにらめっこ。
わかんないときに出るペン回しのクセ。
俺はイスをひきよせて「どこわかんないの?」とのぞきこむ。
すると、左手でルーズリーフの左上を不自然に隠す。
・・・きっとはできるだけ自然を装ったつもりだったんだろうけど。






「・・・・・・なに隠してんの」
「・・・えーっとね、これがわかんない」
「・・・・・・なんか書いたの?」
「・・・そうそう、この公式を使うのはわかるんだけど」






ヒョイッとが右側にある教科書に手をのばしたところを狙って、
計算がいっぱい書かれたルーズリーフを奪取するのに成功。






「あっ!!ちょっ!!ヒロ!!!返せっ」
「シーッ!!・・・静かに、怒られるでしょ」






高く持ち上げて左上を見た。
きれいな字が確かに「増川」って並んでる。






「・・・・・・どうした、
「・・・・・・なにも言うな。それって立派なプライバシーの侵害だし」
「・・・・・・めっちゃかわいいんですけど」






カーッと顔を赤くして俺のことをニラむ。
増川、だって。やられたほうがドキドキするよ。
辞書その他モロモロをたくさん抱えて歩き出す。






「おい、ちょっと、。帰んの?」
「バカヒロ!もう知らない」





図書室を早歩きで出て、廊下をフラフラと歩く
重いのかな。そうだろうな。
走っての前に立つ。
「なんだよ、もう」とさらにニラまれた。
ニラんだ顔もすきだけど。
さっとルーズリーフに目を通す。






、(2)と(5)と(6)間違ってる」
「家でやるからいいの!」






両手がふさがったに、かがんでチュッとキスをする。






「なっ!!なにすんの!!」
「半分持つよ。・・・あと、わかんないんでしょ?教えてやる」






は16歳だっけ・・・?
もう結婚できるもんな。
少なくともあと2年は待ってほしいって話そう。















     END















**060508
相互記念Dearはるひー。
リクが「MASUKAWAで甘甘」だったんですけど甘くなくてごめんなさい。
なんとなくひろいんに「増川○○」って書かせたかった。
これからよろしくね。



0511.
のりーー!!素敵な夢をアリガトウ♪
すっごいいいね!!かっけー(笑)これからよろしくねーv